心にも監視を入れる:ITエンジニア視点で考えるコーチング
■ 自分の状態、どれくらい見ていますか
ITエンジニアとして仕事をしていると、「監視」や「アラート」はとても身近な存在です。CPU使用率やエラーログを監視し、しきい値を超えたらアラートを上げて、障害になる前に対応する。これはごく当たり前のこととしてやっています。
でも、自分自身の状態についてはどうでしょうか。
なんとなくイライラする、集中できない、疲れが抜けない。そんな小さな変化に気づいたとき、私たちはそれを「気のせい」と流したり、「こんな自分はダメだ」と責めてしまったりすることがあります。
もしこれがシステムだったら、おそらく違う対応をするはずです。何かしらの異常の兆候として捉え、「このままだと負荷が上がりすぎるかもしれない」と考える。そして、少し負荷を下げたり、原因を見にいったりするのではないでしょうか。
■ それは「問題」ではなく「アラート」
そう考えたときに、イライラや違和感といったものも、「問題」ではなく「アラート」として捉えられるのではないかと思うようになりました。アラートは、壊すためにあるのではなく、守るために上がるものです。
だとしたら、そのアラートに気づいたとき、自分にどんな対応ができるでしょうか。少し立ち止まって、「今、自分には何が起きているんだろう」と問いかけてみるだけでも、見え方が変わることがあります。
何に負荷がかかっているのか。本当に今やるべきことは何なのか。少し調整できる余地はないのか。
そんなふうに、自分の内側を観察すること自体が、一つの対応になります。
■ 繰り返すアラートは「設計」を見直すサイン
そしてもし、同じようなアラートが何度も繰り返し上がっているとしたら、それは一時的な問題ではなく、そもそもの「設計」を見直すタイミングなのかもしれません。
無理なスケジュールや、自分の価値観とずれた目標、他人の期待を優先しすぎている状態。そういったものに気づき、少しずつ調整していくことは、コーチングで大切にしているプロセスとも重なります。
システムと同じように、アラートを完全になくすことはできません。でも、アラートに気づき、それをどう扱うかは選ぶことができます。
自分の心にも、監視とアラートの仕組みを持つ。
それは、自分をコントロールするためではなく、壊れる前に守るためのものなのだと思っています。

