観ようとした瞬間、人生は動き出す――バードウォッチングとコーチングの共通点
コーチングでは「答えはクライアントの中にある」と言います。
バードウォッチングでも、まったく同じことが起きています。
鳥は、森の中に突然“現れる”のではありません。
こちらの在り方が変わった瞬間、見えるようになるのです。
見えないのは、いないからじゃない
同じ場所に立ち、同じ時間を過ごしていても、
見える人には見え、見えない人には何も見えない。
それは、視力の差ではありません。
知識や経験の差でもない。
「どう観ているか」
ただ、それだけの違いです。
バードウォッチングでは、
音に耳を澄ませ、動きを感じ、
「いる前提」で世界を観ます。
この前提がなければ、
本来そこにあるものは、視界に入ってきません。
人の中にある答えも、同じ
コーチングの場で、多くの人がこう言います。
やりたいことが分からない
ゴールが見えない
自分には特別なものがない
けれど、それは
本当に「ない」からでしょうか。
多くの場合、
答えはすでにその人の中にあります。
ただ、
まだ言葉になっていない。
まだ、自分自身が観ようとしていない。
鳥と同じです。
存在していないのではなく、
まだ視点が合っていないだけ。
追いかけると、逃げる
バードウォッチングで大切なのは、
追いかけないことです。
姿を捉えた瞬間に近づけば、
鳥はすぐに飛び去ってしまいます。
静かに立ち、
その場にとどまり、
待つ。
すると、
思いがけないところから
ふっと姿を現すことがある。
コーチングも同じです。
早く答えを出そうとしない
正解を示そうとしない
沈黙を恐れない
「待つ」という在り方は、
相手を信頼していなければできません。
名前を知ると、世界は立体になる
鳥の名前をひとつ知るだけで、
風景は変わります。
「ただの鳥」だった存在が、
明確な輪郭を持ちはじめる。
人も同じです。
これは不安
これは恐れ
これは本当に大切にしたい価値観
自分の内側にあるものに
名前をつけられるようになると、
人生の解像度は確実に上がっていきます。
正解は、一つじゃない
同じ森にいても、
何を見るかは人それぞれ。
人生のゴールも同じです。
誰かの正解が、
あなたの正解とは限らない。
比べなくていい。
競わなくていい。
あなたが観たい世界を、
あなたの目で観る。
それだけでいいのです。
今、あなたは「観よう」としていますか?
もし今、
先が見えない
自分が分からない
立ち止まっている感覚がある
そんな状態なら、
問いを少しだけ変えてみてください。
「答えはどこにある?」ではなく、
「私は、ちゃんと観ようとしているだろうか?」
静かに立ち、耳を澄ませ、待つ。
すると、
これまで見えなかったものが
少しずつ輪郭を持ちはじめます。
鳥も、人生のゴールも、
本当はずっと、そこにいるのですから。
コーチとして、最後に
コーチングは、
何かを教えることではありません。
その人自身が、
自分の世界を観る力を取り戻すプロセスだと、私は考えています。
もしあなたが今、
「見えない」と感じているのだとしたら、
それは可能性がないからではありません。
ただ、
観る準備が整っていないだけ。
在り方が変われば、
見える世界は必ず変わります。

